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アジマティクス

ここをこうするとおもしろい

点をぐるぐる回してどんどん重ねると楽しいな〜と思ってたらまたフィボナッチかよ!!

点を用意してxy平面上でぐるぐる回します。

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その1段上(つまり高さ方向に1進んだ地点)に、1つめの点が1周する間に2周するような点を用意します。

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3段目には、1つめの点が1周する間に3周するような点を置きます。

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n段目にはn周するような点を、そうですね、60個程度重ねてみましょう。

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ウオエアなんだこれ!!! めっちゃきもい!!! 楽しい!!!!!

隣の点を線分でつないでみるとこんな感じになります(gifアップロード容量制限により途中まで)。

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う〜ん気持ち悪いですねぇ〜

特にこの、

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動き始めの部分がめっちゃきもい

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ほら。ニュンってなってきもい

それぞれの点は、単にずっと同じ速度で回転しているだけです。ただそれだけなのにこんなに気持ち悪くなるなんて面白さを感じます。

キャンプファイヤーみたいなやつ

今回の制作物は3Dで、めずらしくz軸があるんですよねえ。いままでフーリエ装置人体模型などいろいろなものを作ってきたアジマティクスですが、当ブログに奥行きが出たのはこれが始めてです。

んで今回もこんなの作ったよ! 楽しい! ってだけの記事でもよかったんですがせっかくなのでいくつか気になる点を見ておきましょう。

動き始めのキモさも確かに魅力的ですが、それ以外にもやっぱりキャンプファイヤーみたいな構造がときおり現れるのが気になります。

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これとか。

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こんなのとか。

ぐるぐるしてる中、急にこの形が現れるのはなんだか「無秩序の中に突然現れる秩序」みたいな感じで萌えます。いやもちろん無秩序ではないんですが。

なぜこんな構造が現れるかと言えば、これは各点が一番下の点の「整数倍」の速度で回っているからです。

たとえば一番下の点が1/3回転した位置にいるとき、2倍の速さで回る2番めの点は2/3回転した位置にいます。3番目の点は3/3=1回転しています。

 4番目→1+1/3回転
 5番目→1+2/3回転
 6番目→2回転
 7番目→2+1/3回転
 8番目→2+2/3回転
 9番目→3回転
 ...

となり、3つごとに同じだけ回転した場所に点が位置することがわかります。一番下の点が1/4回転した位置にいるときは4つごと、1/5なら5つごとの位置に。高さだけ違えて同じ位置にあるわけなので、点が縦にまっすぐ並んで、ああいうキャンプファイヤー的な構造が出現していたというわけなのですね。

これはそれぞれが「整数倍」の速さで回っているからにほかなりません。ためしにn番目の点を\sqrt{n}倍速で回るようにしてみます。無理数倍です。

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ぜんぜんキャンプファイヤーになってくれない!

また、キャンプファイヤーが出現するのは一番下の点が1/3回転、1/4回転、1/5回転...などの位置に来たときなので、さっきの動画をよく見てると、

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この図のようなタイミングでキャンプファイヤーが現れることがわかります。ぜひ注目してみましょう。

話変わるけど

植物にとって、光は大事です。文字通り生命線です。

ぐるぐる回っている点を「葉っぱ」だと捉えます。そうすると、点が縦に揃ってしまったとき、上からの光が下の葉っぱに当たらなくなり困ってしまいます。こういうことです。

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できるだけまんべんなくすべての葉っぱに光が当たるようにするには、葉っぱにどれくらいの角度をつければいいのでしょうか?

なに唐突に葉っぱの話始めてんのって感じですが、これはつまりこのぐるぐるマシーンが葉っぱのモデリングにも使えそうだというわけです。せっかく作ったのでもう少し利用しておきましょう。

葉序(ようじょ)

茎に対する葉っぱのつき方のことを「葉序」といいます。ようじょ。

葉序には、茎の一つの節から何枚もいっぺんに葉っぱが生える「輪生」、節ごとに一枚ずつ角度をつけて生える「互生」などがあり、このマシーンではこの「互生」を表現できるというわけです。

当然、葉っぱ同士の角度によってどれだけ葉っぱに光が当たるかは変わります。葉っぱが一枚生えて、その生えた葉っぱになるべくかぶる面積が少なくなるように次の葉っぱが生えるには、180°、すなわち一周の1/2の位置に生えるのが最適です。もっとも遠い位置に生えればいいわけです。

しかしそれでは、そこからまた180°でさらに次の葉っぱが生えたときに、最初の葉っぱに丸かぶりしてしまいます。動画で図示するとこんな感じです。

 

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これではあまり上からの光が当たりません。このような葉序のことを「1/2葉序」と呼びます。すぐに葉っぱがかぶってしまうのは、次のが1/3の位置に生えても同じです。3つごとに、1周した時点で丸かぶりしてしまいます。

ここで自然界に目を向けてみます。実際に上で挙げた「1/2葉序」や「1/3葉序」の植物も存在しますが、例えばスミレやアンズなどの植物は「2/5葉序」であることが知られています(葉序は植物によって決まっています)。これは「一周の2/5の位置に次の葉っぱが生える」という意味です。こうなります。

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次の葉っぱが生えるまでに大きな角度がついていて、かつ1周目ではかぶらず、2周目の5枚目になってはじめて丸かぶりしています。

「3/8葉序」というのも実在します(キンギョソウなど)。

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次の葉っぱが生えるまでに大きな角度がついていて、3周目の8枚目でようやく丸かぶりしています。「あとから生えてきた葉っぱが上からの光をさえぎらない」という点において、さっきの2/5葉序よりも優れているように見えます。

このほか、5/13葉序(5周した13枚目でかぶる、セイタカアワダチソウなど)、8/21葉序(8周した21枚目でかぶる、アカマツなど)があります(参考リンク)。

いろんな葉序があるんですねぇ。でもこの数字はいったいどこから来たのでしょう? 並べてみます。

1/2、1/3、2/5、3/8、5/13、8/21...

分子のみ→1,1,2,3,5,8...

分母のみ→2,3,5,8,13,21...

......

フィ......

フィ............

フィボナッチ数列やないか!!!!!!! またお前か!!!!!!!!

1,1,2,3,5,8,13...と、「前二つの数を足したやつが次の数」になっているような数列のことをフィボナッチ数列といい、当ブログでも過去に一度取り上げています。

motcho.hateblo.jp

「自然界にはフィボナッチ数列が隠れている」だなんて、その辺の適当な啓蒙書なんかにもよく書かれていてもはや食傷気味ですが、出てきてしまったのだから仕方ありません。自然界にはフィボナッチ数列が隠れています。生えてくる葉っぱがすでにある葉っぱになるべくかぶらないように進化してきた植物たちの叡智の結晶と言えるでしょう。

これ以外の葉序を持つ植物はあまり見つかっていないらしく、葉っぱのつく角度が基本的にフィボナッチ数列に従うという事実には「シンパー・ブラウンの法則」という名前まで与えられているそうです。それどころかフィボナッチ数列のことを「シンパー・ブラウン数列」と呼ぶことすらあるとかマジかよすごいなシンパーとブラウン

なぜフィボナッチ数列か?

べつに「3/7葉序」とか「5/16葉序」とかあってもよさそうなのになぜ自然界がフィボナッチ数列を採用しているのかについては調べてもちょっとよくわからなかったのですが、ためしに一周を1:\frac{1+\sqrt{5}}{2}に分割する位置に、次の葉っぱを生やすようなモデルを作って観察してみます(これはフィボナッチ数列の隣接二項間比の極限で、このような角度のことを「黄金角」といいます)。無理数なので、どれだけの葉っぱが生えても一つとしてピッタリ同じ位置に生えることはありません。

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真上から見ています。なんというか、「絶妙に一番空いている位置に次の葉っぱが生えている」ように見えます。角度も大きく開いてるし。このちょうどよさが、植物たちにフィボナッチ数列を採用させている理由の一つなのかもしれません。

葉序ばっかり見ちゃう

葉序についての知識が入ったあとで外歩いてると、そのへんの道端とか、公園とか、街角に溢れる葉序が目に入ってくるんですよね。いままで葉序なんて気にとめたことなかったのに、ああこの葉序はこういうタイプだな、あの葉序はこういうタイプなんだな、と、見えなかったものが見えるようになり世界がちょっと広がるわけです。

葉序とはどこででも出くわすことができます。みなさんもこれを期に街角の葉序に目を向けてみたらよいと思います。

 

一周年のアジマティクスを振り返る(前編)

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おめでとうございます。ありがとうございます。毎回(自分が)興奮する数学ブログとしておなじみのアジマティクスが、2月4日をもちまして一周年を迎えました。ありがとうございます。

ここまで続けてこられたのは完全にみなさまのおかげです。エゴサジャンキーなのでコメント、ブコメ、コメントつきURLツイ、URLツイをRT後ツイなどできる限り読んでるんですが、それらが相当活力になってるのです。ありがとうございます。

この一年で22の記事が生まれ出でました。せっかくですので今回はその22の記事を思い出とともに振り返ろうかと思います。ありがとうございます。

もくじ

時系列順です。リンクは記事そのものに飛びます。

うごく!数式お絵描き(1)

フーリエ級数視覚化装置を作った

「平方剰余」を「約数」になぞらえて理解する

京大理系数学の入試問題(2016)が面白いらしい

「源義経の母はナポレオン」爆発原理の超わかりやすい解説

最近感銘を受けた日常の中の鳩の巣論法

はじめてのディリクレ関数

とりあえずだまされたと思って-(​(-1)^(1/7))を2乗してみてくれ

ケーキに3回だけ刃を入れてできるだけ公平に分割したい話

パラドックスたろう(前編)

ひとつだけでいいから「ほとんど整数」を理解したい!

かかってこいや!「1=2の証明」

(n-1)²+n²とn²+(n+1)²がともに素数のときnは5の倍数

人が壁を押すリンク機構を数式で作った

フィボナッチ的らせん三角形と変拍子について(パドヴァン数列の話)

水平線までの距離って何kmくらいなの?

なんか効率のいい素数の覚え方ないかな?

「パッと見素数」に気をつけろ!

最小二乗法でフシギダネの誕生日を求める

素数大富豪大会MATH POWER杯決勝戦では何が起こっていたのか

それじゃあ任意の自然数をひっくり返す関数でも作って遊ぶか

Googleのカラーピッカーを見て思ったこと

こちらの前編では半分の「ひとつだけでいいから「ほとんど整数」を理解したい!」までを振り返ります。

 

①うごく!数式お絵描き(1)

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一番最初の記事がこれです。ちなみに(2)はまだありません。ううう......。申し訳ねえ......。記事の最後のとこに「次回こそが本番って感じですね。」とか書いてあるんに......。なんでのっけからこんなばつの悪い思いをしなきゃならないんや......。

当時、私の作った「アンパンマンがドラえもんになるグラフ」がtwitterで人気で、これは機を逃しちゃマズい!と思ってブログを始めた記憶があります。書きたいこともたくさんあったし。しかし実際はtwitterでいくら人気だからと言ってそのままブログの方に人が流れてきてくれるわけなどなく、twittertwitter、ブログはブログで、ちゃんと面白いものを書いて育てていかなきゃいけないんだな、という当たり前のことをこのとき認識しました。よかったですね。

(2)はそのうち......。ほんとそのうち書きますんで......。

今回の興奮ポイント:まるが自由にかける

 

フーリエ級数視覚化装置を作った

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フーリエ級数展開を視覚化する装置を作ったので、その顛末なり解説なりを、作ったその日の深夜に書いた記事です。作ったときの勢いのままにサッと書いたわりには(からこそ?)結構ブクマもつき、さらにあの数学ガール結城浩先生言及されるなどしました。初めての経験だったのでとまどい半分嬉しさ半分という感じでいい思い出になりました。

今回の興奮ポイント:好きな関数を視覚的にフーリエ解析できる

 

③「平方剰余」を「約数」になぞらえて理解する

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わかりにくい「平方剰余」をわれわれのよく知っている「約数」に結びつけて理解しよう、という記事です。

うちのブログの記事はだいたい「解説」か「思いつき」かに大別される気がします。が、これは両方ですね。平方剰余を約数になぞらえることができるという「思いつき」を使って、平方剰余を「解説」したわけです。どうやら筆者はこの「思いつき」によってあわよくば数学史に名を残せないか狙っているフシがあります。最後の「平方剰余'」とかけっこう新しい概念だと思うんだけどだめ? 残せない?

今回の激昂ポイント:平方剰余の定義式がわかりにくい

 

④京大理系数学の入試問題(2016)が面白いらしい

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京都大学の入試問題が面白かったので解説です。2月中に書いてますからめずらしく機を逃さなかった記事ですね。整数問題をあまりによって分類して解く、ということの楽しさに触れられた記事でもありました。さらに数学の問題はさまざまな解き方があるということの魅力にも。

この記事、アジマティクスの中でも一二を争う検索流入の多い記事です。やたら冗長なタイトルにした甲斐がありました。検索ワードとしては「面白い 数学」「大学入試 面白い問題」「楽しい 問題」などがあり、世の中にそういう需要があることを意識させられます。ていうかそんなワードからうちにたどり着けるのすごいな!

今回の悩みポイント:本題ではないmodの説明をどこまでするか

 

⑤「源義経の母はナポレオン」爆発原理の超わかりやすい解説

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「外は雨が降っており、かつ、雨が降っていない」ならば、「源義経の母親はナポレオンである」と結論できる。爆発原理の解説記事です。

筆者はわりと数学よりは論理学のほうが詳しいのでスラスラ書けたんですが、詳しいがゆえに厳密さを保とうとして注釈の数が大変なことになっていますね。ちょっと見栄えが悪かったのでこれ以降なるべく注釈は避けるようになりました。

記事公開後に「目からうろこ落ちまくった」みたいな反応を頂いて嬉しかった覚えがあります。その方は普段数学からは離れたところにいる方で、そういう方から反応をいただけるとあ〜やっててよかったな〜、届くべき人のもとに届いたな〜と思って心が満たされます。基本的にアジマティクスは高校卒業以来まっっっったく数学なんかに触れてこなかった人をメイン読者として想定しています。

今回の小手先ポイント:別にエイプリルフールのために書いてた記事じゃないのに枕と落ちだけいじって無理矢理エイプリルフール仕様にしてる

 

⑥最近感銘を受けた日常の中の鳩の巣論法

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「エレベーターの押されているボタンと降りる人数」「ゴールタイムの種類と走者の人数」などに鳩の巣論法を見いだすことができて楽しい!! という記事です。

改めて見るとこのブログはtwitterネタが多いですね。日常の中に数学を見いだせるとワクワクするし、そういう記事を書いていきたいとも思っているわけですが、筆者の「日常」が一日中twitterに張り付くことと同義なのでこういうことが起きるわけです。

 

......。

 

今回の教訓:たまには外出しよう

 

⑦はじめてのディリクレ関数

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有理数のとき1無理数のとき0、という変わった関数「ディリクレ関数」の紹介です。

ネタが「 f(x) =\lim_{n \to \infty}\lim_{k \to \infty} \left(\cos \left(n!\pi x\right)\right)^{2k}」という相当にゴツい式ですので、こちらはかなり「わかりやすさ」というものにこだわって書いた記事になってます。

わかりやすくするにはとにかく読者の気持ちに寄り添うことが必要だと思います。図を入れる、文頭の接続詞で心の準備をしてもらう(例えば「つまり」ならこの後に要約が来るとわかる、「さらに」ならこの後に情報が付加されるとわかる、等)、わかりにくいところには「わかりにくいので、例をあげます」と書く、などの方法を使ってとにかくわかりやすさを高めているつもりです。ブコメなどの反応から見るとそれは成功しているのではないかなと思います。

また、「わかりやすく説明しようとする」という営みは自身の理解をも高める、ということが書いててはっきりと自覚できた記事でもあります。 「よーしこの概念理解したしブログで解説しよー」と思って書き始めたら実は2割ほどしか理解していなかった、ということもよくあるのです。

今回の懸案事項:サムネそれでいいのか

 

⑧とりあえずだまされたと思って-(​(-1)^(1/7))を2乗してみてくれ

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a^2=bb^2=cc^2=aというように、「2乗するたびにぐるぐる巡回するような数はないかな?」という思いつきの記事です。

初めてはてブホッテントリに載り、その恐ろしさを実感しました。しかしコメントはわりとみんな好意的というか、マウンティングも少なくその点安心しました。やっぱり自分が面白い!興奮する!と思ったものをそのままありのまま伝えるというのが一番なのでしょう。

コメントに指摘されて後で知ったことですが、マイナスの分数乗って本当はマズいんですよね。値が一つに決まらないから。なんでこうしたかってWolframで計算させたらそういう表記で出てきたからです。また「この内容で複素平面に触れてないのはおかしい」というコメントも確かにそうだと思います。これは単純に思いつきもしなかったから書いてないのです。

筆者は基本的に数学力は低く、ただ数学の気持ちよさとかに魅せられて突き動かされている人間です。「アレに触れてないってことは何か理由があるんだろうな...」みたいなコメントをたまにされますが、はい、その、まあ、知らなかっただけです。

今回の怪我の功名ポイント:「マイナスの分数乗」から「リーマン面」という概念につながって勉強になった

 

⑨ケーキに3回だけ刃を入れてできるだけ公平に分割したい話

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長らくうちのブログで一番バズったものとして君臨していた記事です。

こちらの意図としては単純に「分散」というものの解説、というただそれだけの記事のつもりでしたが、「最大多数の幸福」「公平性を考える難しさ」「現代日本の縮図」などなどなど......。みなさんこの記事から自由に問題意識を見出してくださっていて、それはそれでおもしろいことだと思いました。ただ「横から切れば8等分」とか言い出す奴はもう知らん

問題を思いつき、分散を計算してみてたら結果がああいうことになったので、その瞬間あのオチまでがはっきりと見えてガッツポーズしました。

もともとは、ユージニア・チェン著「数学教室 πの焼き方」という圏論に関する本の表紙を見ていて思いついたアイデアです。

圏論の本ですので、この本の中身には分散の話はいっっっこも出てきません。本当に表紙だけ見て思いついたんです。でもこの本面白いんでおすすめします。イギリス意外と食文化あるじゃんって思います(めっちゃ失礼)。

ちなみに白雪姫の画像が内容的に全く必要ないことはまだ誰にもバレていません。

今回のうれしかったコメント:「絵がかわいい」

 

パラドックスたろう(前編)

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制約だらけの桃太郎」「もしも矢沢永吉が桃太郎を朗読したら」みたいな文化がありますが、あれのパラドックスバージョンです。つまり、昔話の桃太郎のストーリーにパラドックスを散りばめてみたと。

夏コミで上記のパラドックスたろうほか、たかしくんが謎の指令に振り回される「問題な指示たち」、上下左右前後が閉ざされた密室で4次元人と出会う「横から来た男」などの数学要素を組み込んだ短編集を頒布しました。その宣伝記事でもあります。

結局夏コミには100部持っていったんですが、おかげさまで完売することができました。嬉しかった......。そりゃもう嬉しかった......。

現在は以下のURLでCOMIC ZINさんの方から通販で入手することができるようになっていますのでよろしければ手にとってみてください。おもしろいよ!

COMIC ZIN 通信販売/商品詳細 異なる2人の実数解

今回の教訓:原稿の締め切りは何段階にも分けて設定するとよい

 

⑪ひとつだけでいいから「ほとんど整数」を理解したい!

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黄金比(黄金数)を累乗すればするほど整数に近づくのはなぜか?という解説記事です。

いろいろ理由はあるでしょうが、Wikipediaの数学系記事がわかりやすさについて考慮されていることはまれです。 数学用語をググったらだいたい最初にたどり着くのはWikipediaだろうに、こりゃイカンと思って解説記事を書きました。すべての数学用語について最初の検索結果がアジマティクスになるようにこれからも努力していかなくてはなりません。それにしてもまさかあの一行の文が最終的に6800文字まで膨らむとは書き始めた当初は思いもよりませんでした。

複素共役」という用語が一言も出てきていませんが、使ったらわかりにくくなるから使わなかったんだろうな〜とかではなく、はい、つまり、その、そういうことです。この記事公開後に会った人に「ブログ読みました! 複素共役ですね!!」って言われたんですけど「えっ!? あっ......。はい、うん、そうですそうです。複素共役です」ってなりました。後にも先にもあんなに目が泳いだことはない

今回の懺悔:あのときはごめんなさい

 

続きます

さて、だいぶ長くなってまいりましたので一旦このへんで区切ろうかと思います。「フシギダネの誕生日」「パッと見素数」「パドヴァン数列」などの話が載ってる続きは後編で。

Googleのカラーピッカーを見て思ったこと

注:この記事では色に関することを扱っています。環境によっては、色が正しく表示されていない場合がありますが本題を考える上では影響ありません。

検索するだけで計算してくれたり翻訳してくれたりすることでおなじみGoogleですが、「カラーピッカー」と検索するとカラーピッカーそのものが出てきてグリグリ動かすことができます。

カラーピッカーでGoogle検索

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やだなにこれめっちゃ便利......!

楽しいので小一時間グリグリしてたら、色々興味深いことがわかりましたのでシェアします。

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それじゃあ任意の自然数をひっくり返す関数でも作って遊ぶか

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関数を作るのって、結構楽しいんですよね。作曲や絵を描くのと同じで創作意欲が満たされるというか。

何言ってるかわからないと思うので、実際に関数を作って遊んでるときの私の脳内をトレースしました。

関数を作る

あ〜〜〜ヒマだな。関数でも作って遊ぶか。

そうだな......。例えば「1234」を「4321」にするみたいな、「自然数をひっくり返す関数」とかどうかな。

273なら372557188なら881755。うんうん。できなくはなさそう。ググってみたけど有名な関数でそういう機能を持つものはないみたいだな。いいぞ。作りがいがある。

関数だしとりあえずf(n)とでも名前つけとくか。こんな感じの問題になるかな。

自然数nに対して、nの各桁の値の並びを逆順にした数を与えるような関数f(n)を作れ。

うん。ワクワクしてきたぞ。なんでだろうな。絶妙に自分にも作れそうなレベルだからかな。

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素数大富豪大会MATH POWER杯決勝戦では何が起こっていたのか

会場は、異様なほどの静寂に包まれていた。

高まりに高まった興奮を、誰もが無理矢理押し殺している。そんな静寂だった。「息が詰まる」──。そう表現するのがいかにも相応ふさわしい。

ステージ上には三人の男が座っている。

そのうち二人がテーブルを挟んで向かい合い、もう一人はその間にいる。四角いテーブルの三面を埋めるかたちだ。残る一面はホール側に向かって開かれている。

向かって右の男は、落ち着き払った様子で不敵な笑みを浮かべている。大柄だが線は細く、色黒なのでとがった鉛筆を思わせる。

左の男は、それに比べれば少し落ち着かない様子だ。緊張している。そう見える。こちらも線は細いが、色白で、柔和な雰囲気をたたえている。

対照的な二人の態度は、「チャンピオン」と「挑戦者」のそれを思わせた。無理もない。世紀の大勝負が、これから始まろうとしているのだ。チリチリとけつくような緊張感が肌を刺す。

突然、右の男が「あ、あ、あ」と短く発声する。マイクテストだ。ステージは全国に生中継され、この時点での延べ視聴者数は十万人に達しようとしている。

マイクテストが終わると、再び静寂が訪れる。会場の青いライトが静かに二人を照らす。

その静寂を破って、もうひとりの男が言う。

「では、最初の手番を決めていただきたいので、じゃんけんをお願いします」

二人がじゃんけんをする。左の男が勝つ。トランプのカードが配られる。カードが十一枚であることを双方が確認する。考慮時間シンキングタイムが始まる。

素数大富豪である。

三人の男は、プレイヤーと素数判定員であった。

二〇十六年十月四日午前五時三十九分、「素数大富豪大会MATH POWER杯」決勝戦の幕が、切って落とされた──。

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最小二乗法でフシギダネの誕生日を求める

注意:この記事にはポケモン最新作で登場するポケモンの総数に関するネタバレが含まれています。逆に言えばそれ以外のネタバレは含まれていません。だってまだプレイしてないから!!! リーリエちゃんかわいいんでしょ!!! 知ってる!!!

この記事は、日曜数学アドベントカレンダー14日目の記事です。

去る2016年11月18日、ポケットモンスターシリーズ最新作である「ポケットモンスター サン・ムーン」が発売され、新たに81種類のポケモンが発見されました。これまでに見つかっていたものをあわせると全部で802種類のポケモンが見つかったことになります(フォルム違い、メガシンカ、アローラのすがた等は除く)。

もちろん、新たに幻のなんらかが見つかったりこの先のアップデート等でいくらか追加されるかもしれませんが、実際に新たなポケモンが何種類増えたか?ということは今回の本題ではないので置いといてください。

1996年2月27日に151種類が発見されてから、7570日後の2016年11月18日までに651種類増えたわけですので、一年あたり31種程度が発見され続けていることになります。11〜12日に一種類発見されている計算です。全国の博士たちが頑張ってくれたんだと思うとこみ上げるものがありますね。

縦軸にポケモンの総数、横軸に初代発売日からの経過日数をとって、グラフにプロットしてみました。

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「パッと見素数」に気をつけろ!

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91は素数でしょうか?

91は素数ではありません。

素数大富豪

この記事は、素数大富豪Advent calender11日目の記事です。

素数大富豪」というトランプゲームがあります。通常の大富豪は場に出ているカードより大きいカードをどんどん出していくというものですが、素数大富豪においてはカードを組み合わせて素数を作り(「4」と「1」で「41」みたいな)、場に出ている素数より大きい素数を出していって、先に手札をなくしたほうが勝ち、というルールになってます。詳しいルールなどはこちら。

integers.hatenablog.com

素数でない数、すなわち合成数を出してしまうとペナルティとして山札からカードを引かなければなりません。

そんなわけなので、素数大富豪において「一見素数に見えてその実、素数でない」91は鬼門なのです。私自身、大事なところで91を出して散ってゆく兵どもを何度もこの目で見てきました。痛ましいことです。なぜそんなに91は素数っぽいのでしょうか?

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なんか効率のいい素数の覚え方ないかな?

こんにちは。みなさんは、素数をやっていますか?

 

この記事は、素数大富豪アドベントカレンダー2日目の記事です。1日目はにせいさんの「素数大富豪アドベントカレンダー!」です。

 

素数大富豪」というトランプゲームがあります。詳しいルールなどは上記記事をご参照ください。「新たな素数に出会えるゲーム」と銘打たれたこのゲームは、もちろんそのキャッチコピーの通り多くの新たな素数に出会えるということも魅力の一つなのですが、素数をどんどん覚えてどんどん強くなっていくという楽しみがあることも無視できません。

素数大富豪をはじめとして、大人のたしなみとして素数をやる機会が増えた昨今です。1000までの素数を眺めましょう。

2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, 41, 43, 47, 53, 59, 61, 67, 71, 73, 79, 83, 89, 97,101, 103, 107, 109, 113, 127, 131, 137, 139, 149, 151, 157, 163, 167, 173, 179, 181, 191, 193, 197, 199, 211, 223, 227, 229, 233, 239, 241, 251, 257, 263, 269, 271, 277, 281, 283, 293, 307, 311, 313, 317, 331, 337, 347, 349, 353, 359, 367, 373, 379, 383, 389, 397, 401, 409, 419, 421, 431, 433, 439, 443, 449, 457, 461, 463, 467, 479, 487, 491, 499, 503, 509, 521, 523, 541, 547, 557, 563, 569, 571, 577, 587, 593, 599, 601, 607, 613, 617, 619, 631, 641, 643, 647, 653, 659, 661, 673, 677, 683, 691, 701, 709, 719, 727, 733, 739, 743, 751, 757, 761, 769, 773, 787, 797, 809, 811, 821, 823, 827, 829, 839, 853, 857, 859, 863, 877, 881, 883, 887, 907, 911, 919, 929, 937, 941, 947, 953, 967, 971, 977, 983, 991, 997

どう考えても覚えておいたほうが人生に有利です。

2,3,5...と順に覚えていってもいいのですが、それではどうにも効率が悪い気がします。ていうか今「素数 覚え方」でググってみたら2から順に語呂合わせで覚えるやつばっかり出てきてびっくりしました。もっと情報量を圧縮した覚え方はないのでしょうか。ここでちょっと100までの素数を表にして見てみましょう。

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水平線までの距離って何kmくらいなの?

 

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ハワイに行ってきました。11月なのにこの陽気である

 

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やっぱり海がきれいですね。あの水平線まで一体どれだけの距離があるのか気になります。

今回の問題

問題はこうです。

「半径6371kmの星の上で、地上170cm(0.0017km)地点に目線がある人が見る水平線までの距離は何kmか?」

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フィボナッチ的らせん三角形と変拍子について(パドヴァン数列の話)

11月23日はフィボナッチ数列の日です。ハッピーフィボナッチ!

本場イタリアでは、街中にウサギやヒマワリなどの飾り付けをしてこの日を盛大に祝うらしいです。うそです。

フィボナッチ数列

フィボナッチ数列とはすなわち1,1,2,3,5,8,13...という数列のことであり、初項と第2項が1で、前2つの項を足したものが次の項になっているような数列のことです(wikipedia)。

この数列に関して、こんな図を目にしたことがある方も多いのではないかと思います。

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最初に一辺の長さが1の正方形を2つ置いて、左隣にそれらに接するように一辺2の正方形を置く。次は上に3。右に5。下に8。左に13。というふうに、正方形をらせん状にくっつけていくと、その辺の長さがフィボナッチ数列になっているというものです。興味深いですね。

これの拡張として、正方形以外の形でもらせん状に配置することってできないのかな? と思うのは自然なことでしょう。それができるんですね。こちらをご覧ください。

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