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アジマティクス

ここをこうするとおもしろい

(n-1)²+n²とn²+(n+1)²がともに素数のときnは5の倍数

心の健康のために定期的に整数問題を解いておきましょう。

こないだは京都大学の入試問題を「あまりによって場合分けする」ことで解きました(京大理系数学の入試問題(2016)が面白いらしい - アジマティクス)。たのしかったです。

今回の問題はこれです。ツイッターより。

答えはこれです。

答え出しちゃった

上記の答えを見てすぐに理解できる方はここから先は読む必要ないです。しかし私を含む多くの方にとってはすぐに理解するのは難しいことだと思います。というわけで解説します。

ツイート内にもありますがここで改めて問題を書いておきましょう。

n\neq 2とする。\left(n-1\right)^2+n^2n^2+\left(n+1\right)^2が共に素数ならば、n5の倍数であることを証明せよ。

問題をちゃんと捉えておく

まずは問題の意味をきちんと捉えておきます。

ある整数nを考えたときに、先に書いてある方「\left(n-1\right)^2+n^2」とは、「nの一個前の数の2乗と、nの2乗との和」という意味として捉えられます。n5だとしたら\left(5-1\right)^2+5^241。そうすると後に書いてある方n^2+\left(n+1\right)^2は「nの2乗と、nの一個後の数の2乗との和」ということになります。n5だとしたら5^2+\left(5+1\right)^261です。

この二つの和がともに素数であるとき、真ん中の数nは何故か必ず5の倍数になる気がするぞ? なんでだろ? というのが今回の問題です。たしかに上記の例では前者が41、後者が61で両方素数です。両方素数のとき、真ん中の数は5なのでたしかに5の倍数になっており、成立しています※。なんででしょう。気になりますね。やっていきましょう。

※例えばn=20のとき前者の761素数ですが、後者の84129^2なので逆(n5の倍数ならば両方素数)は成立しません。

解きにいきましょう

まずは簡潔に書くため、nに関する関数である\left(n-1\right)^2+n^2(先に書いてある方)を「f\left(n\right)」とおきます。そうすることにより、後の方n^2+\left(n+1\right)^2は「f\left(n+1\right)」と書くことができるようになります。前者のnの部分を全部n+1に置き換えれば後者になる、ということです。簡潔でいい感じです。

さて、下ごしらえができたところで、さっそくあまりで分類していきましょう。整数問題はあまりで分類するに限ります。

すべての整数を5で割ったあまりによって分類し、この世に整数が5種類しかない世界の上で考えます。すなわち、この世には5で割ったとき0あまる数(5の倍数)か、1あまる数か、2あまる数か、3あまる数か、4あまる数という5種類しか数がありません。

n5で割って0あまる数」というのを、「n\equiv 0\ \operatorname{mod}\ 5」というふうに書きます。「1あまる」ならn\equiv 1\ \operatorname{mod}\ 5。以下同様です。

n\equiv 0\ \operatorname{mod}\ 5だとして、n\equiv 0f\left(n\right)に代入すると、\left(0-1\right)^2+0^21となります。n5の倍数のときf\left(n\right)5で割って1あまる数、ということがわかりました。

以下同様にやっていくと、

   n\equiv 1\ \operatorname{mod}\ 5 ⇒ f\left(n\right)\equiv 1\ \operatorname{mod}\ 5n5で割って1あまる数のとき、f\left(n\right)5で割って1あまる数)

   n\equiv 2\ \operatorname{mod}\ 5 ⇒ f\left(n\right)\equiv 0\ \operatorname{mod}\ 5

   n\equiv 3\ \operatorname{mod}\ 5 ⇒ f\left(n\right)\equiv 3\ \operatorname{mod}\ 5

   n\equiv 4\ \operatorname{mod}\ 5 ⇒ f\left(n\right)\equiv 0\ \operatorname{mod}\ 5

となります。

後者のf\left(n+1\right)の場合は、nの部分をそのままn+1に置き換えればいので、

   n+1\equiv 0\ \operatorname{mod}\ 5 ⇒ f\left(n\right)\equiv 1\ \operatorname{mod}\ 5

   n+1\equiv 1\ \operatorname{mod}\ 5 ⇒ f\left(n\right)\equiv 1\ \operatorname{mod}\ 5

   n+1\equiv 2\ \operatorname{mod}\ 5 ⇒ f\left(n\right)\equiv 0\ \operatorname{mod}\ 5

   n+1\equiv 3\ \operatorname{mod}\ 5 ⇒ f\left(n\right)\equiv 3\ \operatorname{mod}\ 5

   n+1\equiv 4\ \operatorname{mod}\ 5 ⇒ f\left(n\right)\equiv 0\ \operatorname{mod}\ 5

となります。n+11を移項するとこう

   n\equiv 4\ \operatorname{mod}\ 5 ⇒ f\left(n\right)\equiv 1\ \operatorname{mod}\ 5

   n\equiv 0\ \operatorname{mod}\ 5 ⇒ f\left(n\right)\equiv 1\ \operatorname{mod}\ 5

   n\equiv 1\ \operatorname{mod}\ 5 ⇒ f\left(n\right)\equiv 0\ \operatorname{mod}\ 5

   n\equiv 2\ \operatorname{mod}\ 5 ⇒ f\left(n\right)\equiv 3\ \operatorname{mod}\ 5

   n\equiv 3\ \operatorname{mod}\ 5 ⇒ f\left(n\right)\equiv 0\ \operatorname{mod}\ 5

なるので、要するにf\left(n\right)から見ると一個ずつズレてるだけなわけです。

ところで、f\left(n\right)は「素数」でした。素数なので、f\left(n\right)は少なくとも5の倍数ではない」ということです。なので上記の式のうち、f\left(n\right)5の倍数になっちゃうやつ、つまり右辺がf\left(n\right)\equiv 0\ \operatorname{mod}\ 5となっているようなnは、問題の条件に当てはまらないので除きます。

問題の条件に当てはまるようなn、すなわち右辺が5の倍数にならないようなnを探すと、f\left(n\right)においてはn\equiv 0,1,3f\left(n+1\right)においてはn\equiv 0,2,4があてはまります。「両方素数」という条件だったので、両方にあてはまっているものを探すとn\equiv 0だけが残ります。f\left(n\right)f\left(n+1\right)5の倍数でないときのn5の倍数に限る、ということです。

まとめるとこんな感じです。

f\left(n\right)f\left(n+1\right)素数f\left(n\right)f\left(n+1\right)5の倍数でない ⇒ n5の倍数

解けちゃった

ハイこれでいっちょあがりですが、一応f\left(n\right)素数かつ5の倍数」すなわち5のときのことも考えておきましょう。

f\left(n\right)=\left(n-1\right)^2+n^25にするようなnは、2しかありません。n=2のとき、f\left(n\right)=5f\left(n+1\right)=13なので両方素数です。成り立ってますね。問題にはn\neq 2とありますが、これを考えておくことでf\left(n\right)f\left(n+1\right)がどんな素数でも成り立つようにできるのでおいしいわけです。

以上をまとめたのが、上記tsujimotterさんの解答であるわけです。以上を踏まえてもう一度見返してみましょう。

なるほどー! いまなら分かる!

スッキリした

整数問題を解いて心身が安定しました。今日も一日がんばっていきましょう。

 

ん......?

 

やったー! まだまだ問題が解けるぞ!!